この感想は第二巻発売後に書かれています。
どこにでもいる普通の15歳(とはいえ、普通よりもかなり病弱)の優子が魔族として目覚めてしまうお話。
今後優子のトレードマークとなっていく角にもこの時点では全然慣れていないし、優子には魔族としての自覚もまるでありません。
それどころか、今後優子のみに降りかかる受難の日々すら、この時点では全く想像できるものではありませんでした……。
なお、お母さんから「強くなった自覚は?」と訊かれた優子は「むしろ角が重くて……」と返しますが、第二巻にて実は角が生えてからの優子はものすごいパワーアップをしていることが明かされます。
この時点では(絵柄といい)今後の方向性はまだはっきり定まっていなかったのでしょうね。
今だからこそ分かる事実です。
そして初めて会ったばかりの桃のイメージは完全に格の違う片手ダンプ。今だって優子と桃では格が違うのは変わりませんが、片手ダンプは衝撃的です。だってそれ、あんまり魔法少女のやることじゃなくないですか!?
魔法少女ってこう、倒れている人を抱えて逃げる系のイメージですし……。
おお、この頃から筋トレマニアの片鱗が見えます……。
このお話は桃との出会いまでを描いた序章に過ぎません。
優子の、シャドウミストレス優子としての受難の日々は、ここから始まったのです。
なお、単行本を買ったり、読み返して分かった小ネタとしては、吉田家の食卓事情。
一ヶ月4万円生活のせいでお米がなくなるのは分かりますが、では優子が何を食べていたのかというとそれはどんぶりによそわれた味噌汁。
……水分がお腹には貯まるかもしれませんが、なかなかこう、切なくなるものがありますね。
そしてお母さんの考えたキラキラネームの数々。
優子って名前はお父さんが「誰よりも優しく、強く」という願いを込めて付けたんでしょうね……。お母さんが一人で考えたら、かなりのキラキラネームになっていたんじゃないかと少し不安です。
いや、まあ、良子がお母さんが一人で考えた名前だっていうなら、安心できますけど。
最初の読み切り段階では、後に大好きになってしまうなんて、思いもしなかったなぁ。